「Searchin' for the missing soul」とは?


笹路正徳MusicReviewは2012年より1年ごとにテーマを決めた演奏活動を年6回の予定で開催していきます。2012年は「Searchin' for the missing soul」と題してブラック・ミュージックをテーマにお送りします。

1988年にアメリカ人ネルソンジョージ氏が「THE DEATH OF RHYTHM & BLUES(リズム&ブルースの死」を翌年ピーター・バラカン氏が「魂(ソウル)のゆくえ」を出版しました。そこに書かれていた内容を簡単に言ってしまうと1970年代半ばで黒人音楽は無くなったのだという宣言でした(バラカン氏の本はガイドブック的な面が主ではありますが)。ホテルカリフォルニアでは1969年以来”SPIRIT”は無くなったと歌われましたが、それを追うように黒人音楽も消えていったというわけです。では我々が大好きで聴きまくって踊りまくって影響されまくって、キース(リチャーズ)じゃないけど”黒人になりてえ”(ってまあ、当時の著名金持ち白人がこういうセリフを吐くって、微妙なことですね)って思わせてくれたブラック・ミュージック、ソウル・ミュージックはどこに行ったのか(新大久保じゃないでしょう)、という話になった時、ここにある、日本にある、実は俺(笹路正徳)の中にある、という話になったのがこのLIVEのきっかけです。

言ってみればなんとなく飲み屋の戯言のようではありますけれど、俺の中にあるというのならせっかくだから出しちゃ出しちゃえってことで出し惜しみなく放出することに致しました。今回、「Searchin' for the missing soul」のために結成したバンド(名前を考え中)のメンバーは渡嘉敷祐一、岡沢章、土方隆行と強者たち。普段から笹路正徳を様々な場面でサポートしてくれる頼れるメンバー達です。このメンバーに加え毎回ゲスト・ミュージシャンを加え、一夜限りのSOUL探しの旅に出かけます。みなさんも是非一緒にSOUL探しの旅に出て泣いて笑って踊って歌いましょう!

 


Vol.3 2013.1.16 @Blues ALLEY JAPAN

MEMBER

笹路正徳Piano, Keyboards / 土方隆行Guitars / 岡沢章Electric Bass / 渡嘉敷祐一Drums

Guest Musician
西村浩二Trumpet / 近藤和彦Alto Sax. / 竹野昌邦Tenor Sax.& Guest Vocal:中澤“Gatz”信栄

1st set

Jackons
笹路正徳Music Review「Searchin’ for The Missing Soul」のオープニングといえば書き下ろしのこのオリジナル曲。

Living For The City
Stevie Wonderの数ある作品のなかでも名盤の1枚である「Innervisions」(1973年)に収録されている。この曲は人種差別の現実とそれに対する黒人のアイデンティティーは決して失わないと宣言されている実にシリアスな歌。邦題は”汚れた街”(!)。確かにミシシッピからNYにやってきた主人公の兄が黒人というだけで無実の罪で警官に逮捕され10年の懲役を受けるっていう物語が入っているのだけれど(冒頭のSEはそのドラマ・シーン)、ちょっと短絡的じゃないかな?格好いいアレンジで曲の内容は隠れがちだけれどスティービーのボーカルにはただならぬ熱さがある。

Superstition
クラヴィネットのイントロが印象的なこの名曲は「Talking Book」(1972年)に収められ、シングルカットR&BチャートのみならずPOPSチャートでも1位を獲得しました。しかしこれはもともとJeff Beckにプレゼンするために作った曲だそうです。(Jeff)Beckはアルバムには参加して彼らしいギターを随所に聴かせてくれています。
When you believe in things that you don't understand, 
Then you suffer, 
Superstition ain't the way
意味深な歌詞です。素直にも受け取れるし、時代背景からすれば人種差別を始めとする様々な差別・慣習に対する抗議とも受け取れます。

I Heard In Through The Grapevine
邦題「悲しいうわさ」。最初にレコーディングしたのは、Smokey Robinson & The Miraclesだそうです。Marvin Gay(1968年)やGladys Knight(1967年)がヒットさせている。Marvin Gayのバージョンは1位を獲得し、彼にとって最大のヒット曲となっている。尚、MusicReviewが参考にしたのは実はCCR(Creedence Clearwater Revival)バージョン。

People Get Ready
The Impressionsの大ヒット曲(1965年)でありCurtis Mayfieldの代表曲。これは当時の公民権運動を背景としてヒットした曲ということです。歌詞はもの凄く宗教的ですね。ゴスペルと解釈されることもあるそうです。日本人にはわかりにくいようにも思えますが、知名度が高いのはJeff Beck(というかRod Stewart)やBob Marleyの功績でしょうか。

Reach Out I'll Be There
Four Topsによる1966年のヒット曲。デビュー後鳴かず飛ばずのうちに1963年モータウンに移籍したFour Topsは1965年に「I Can’t Help My Self」でチャート1位を獲得。翌年この曲で2年連続のチャート1位でその地位を確かなものにした。
“コーラスグループの曲を1人でやるのはなかなか難しい”by 中澤信栄
いえいえGatzくん、立派に演ってましたよ。

If I Ever Lose This Heaven
Quincy Jonesのアルバム「Body Heat」に収められた曲(1974年)。
1975年にAverage White Bandがカヴァーして大ヒットします。笹路はCAST時代からこの曲をレパートリーにしています。

2nd set

Spank-A-Lee
Rob Springettの個性的なジャケットが印象的なHerbie HancockのThrust(1974年)に収められた超絶ファンクナンバー。岡沢章曰く「ちゃんと演奏できたこと無いなあ」。いえいえ、凄かったですよ。

One Less Bell to Answer
Four Tops的な方向性を目指して結成された黒人男女混声コーラスグループThe Fifth Dimensionのヒット曲。だが、ヒットが出せずに黒人mamas&papasに路線を変更。作家陣にJimmy WebbやLaura Nyroを起用して一躍ヒットグループになった。この曲もかのBurt Bacharachの作品。因みに笹路は昨年ゴスペラーズとMay J.が歌う同じThe Fifth DimensionのNo1ヒット「Up, Up and Away」(作曲はJimmy Webb 邦題 ビートでジャンプ)のアレンジ、サウンドプロデュースを手がけた。

Keep On Running
天才少年(なんて陳腐な言い方だ!)Steve Winwoodが15歳で参加したThe Spencer Davis Groupのヒット曲(1965年)。作者はジャマイカのシンガー・ソングライターJackie Edwardsの作品。彼はIsland RecordsのChris Blackwellに見出されてロンドンで活動していたようだ。Music Reviewではベースの岡沢章がソウルフルな歌声を聴かせてくれる。

プロセス
中澤信栄のオリジナル。笹路がCo-Producerとして参加した中澤信栄の最新アルバムREAL NATION収録曲。彼のギタープレイに注目。彼はそのソウルフルな歌声は当然のことそのギタープレイも一聴に値する。

De Ja Vu
これも中澤信栄の「REAL NATION」に収録。オリジナルはSOUL SINGERのORITO。Hi-RecordsのWillie Mitchellプロデュースによるアルバム「SOUL JOINT」でデビューしたORITOは2008年に残念ながら急逝している。中澤曰く「超超超未練がましいLOVE SONG」。

Inner City Blues
"Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)" は Marvin Gayeが1971年にリリースした「What's Going On」に収録されこのアルバムからの3枚目のシングルとしてリリースされPOPSでチャート9位、R&Bチャート1位を獲得した。“月にロケットを飛ばす金があるなら俺らの生活どうにかしてくれ”っていうこのアルバムからLOVE SONG以外を積極的に作るようになったMarin Gayeを象徴する1曲です。

My Girl
1965年にチャート1位を獲得したThe Temptationsの大ヒット曲(リリースは1964年)。作者はThe Miracles のSmokey RobinsonとRonald White。SmokeyがThe Miraclesのメンバーであり後の奥様Claudette Rogers Robinsonからインスピレーションを得て作ったLove Song。随所に登場するギターリフが逸品だが、Music Reviewでは普段歌うことがない笹路・土方が加わったコーラスワークも聴かせどころ。

Encore

What a Fool Believe
1979年の全米第1位。Kenny LogginsとMichael McDonaldによるこの曲は最初Logginsのアルバム(『NIGHTWATCH』1978年)に収録に収録されたがシングルカットされなかったためか、DOOBIEバージョンが翌年大ヒット!Matt Biancoのバージョン(1982年)も日本では有名。歌詞がすごくわかりにくいらしいです。

Hold On I'm Comin'
熱いステージでかのOtis Readingが共演を嫌がったという逸話があるSOM &DAVE。彼らのデビュー・アルバムに収められているのがこの曲(1966年)。作者はIsaac Hayes、 David PorterというSTAXではおなじみのコンビ。R&Bチャートで1位、POPSチャート21位。


vol.2 2012.12.6 wed. @ORANGE LADY

2012.12.6 Set List

1st set

Jackson -Masanori Sasaji-
笹路Liveのオープニングといえばこの曲。Music Reviewのために書き下ろしたオリジナル。

People Make The World Go Round-The Stylistics-
Thom Bell and Linda Creedのペンによるポリティカルソング。The Stylisticsの演奏はそのあたりをうまくソフィスティケイトしているが、リンクを張ったYoutube映像はストレートにそこを表現している。 Tom Bellは多くの人が聴いて感じる印象、バート・バカラックとの共通する作風から”黒いバカラック”と言われている(らしい)。

Tom Thumb -Wayne Shorter-

サイケデリックなきゃケットが印象的なアルバム”Schizophrenia(Blue Note)”の1曲目は2005年に笹路が結成したCASTのレパートリーでもありました。

Midnight Lover -THE SQUARE-
THE SQUAREが1978年にダイレクトカッティングで録音しリリースした名盤のタイトル曲。因みに12.6のLiveには当時のメンバーであったキーボードプレイヤー・作曲家の宮城純子さんも来場し、旧交を暖めました。

One less Bell to Answer -The 5th Dimension-
そしてBurt Bacharachのペンによるこの曲はThe 5th Dimentionで有名です。2012年の東京JAZZで村田陽一 His Big BandのメンバーとしてBen.E.Kingと共演した笹路は同日出演のバカラックさんの演奏を生で堪能。その素晴らしさに熱い涙を流しました。Great!!

2nd Stage

Let Me Groove/Everybody -村田陽一-
福山雅治さんのRHから飛び込んで下さった村田陽一さんが加わった2nd ステージ最初の2曲は村田さんが1999年にリリースした『HOOK UP』に収録のナンバー。詳しくはご本人のBlogを是非御覧ください。

Velas Içadas -Ivan Lins-
Musicians's Musicianであり、全ての音楽家が敬愛すると言っても過言ではない作曲家Ivan Lins。 この曲もCASTのレパートリーでした。めくるめく場面場面がとても美しい名曲です。

Ribbon in the Sky -Stevie Wonder-
1982年にシングルとしてリリースされたStivie Wonderの有名曲。チャートはビルボード総合チャート54位、R&B部門10位と意外に振るっていない。これもCASTのナンバーとして演奏され、当時も人気曲であった。

If I Ever Lose This Heaven -AVERAGE WHITE BAND-
Quincy Jonesの1974年の大ヒットアルバム『Body Heat』の最後に収めら、翌年にAVERAGE WHITE BANDにより大ヒットする。作者のLion Wareは1976年のMarvin Gayの名作アルバム『I Want You』の作者として有名なシンガー・ソングライター。

-Encore-

What a Fool Believes -THE DOOBIE BROTHERS-
1979年の全米第1位。Kenny LogginsとMichael McDonaldによるこの曲は最初Logginsのアルバム(『NIGHTWATCH』1978年)に収録に収録されたがシングルカットされなかったためか、DOOBIEバージョンが翌年大ヒット!Matt Biancoのバージョンも日本では有名。


Vol.1/2012.6.17 @晴れたら空に豆まいて


PreView 2012.1.14 @BLUES ALLEY JAPAN